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イエロー・サブマリン
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１・イエロー・サブマリン/Yellow submarine ７・ペパーランド/Pepperland アメリカでは短編アニメによる『ビートルズ』という番組が放映され（これは日本でも『アニメ・ビートルズ』というタイトルで放映されていた事がある）人気を博していた。この番組のプロデューサー、アル・ブロダックスはブライアン・エプスタインに長編アニメ映画の企画を持ちかけ同意を得た。アニメ制作は順調だったが、肝心のビートルズ自身によるサウンド・トラックは遅々として進まなかった。 ブライアン・エプスタインの急逝による衝撃、アップル設立、インド旅行、そして各々プライヴェートで忙しかった彼等はこのアニメに全然期待していなかったからである。 しかし、アニメの試写を実際に観た彼等はこれを気に入り、ブロダックスに協力する事を約束する。新曲によるサウンド・トラック、ビートルズ自身の出演等を。 こうして完成したのが映画『イエロー・サブマリン』である。結局サウンド・トラックに関しては、レコード、フィルム、パブリッシング、エレクトロニクス、ブティック等幾多の部門を抱えるアップル設立という多忙な時期だった為、新曲は僅かに４曲、これに既に発表されていた「イエロー・サブマリン」と「愛こそはすべて」を加え、更に足りない部分をプロデューサーのジョージ・マーティンが補った。その為、ビートルズのアルバムとしては完成度の低い仕上りになってしまった事は否めない。実際、ビートルズの”公式アルバム”中、唯一チャート１位を獲得出来なかったが、たった６曲しかナンバーが収録されていないにも関わらず、その割には全米全英共にチャート２位を記録するなど、ビートルズ人気未だ健在を証明した。 曲数は少ないが、遊び心に溢れた曲が多く、楽しい仕上りになっている事は確かで、アルバム全体としては物足りない部分はあるものの、矢張りビートルズならではの魅力は捨て難い。 １・イエロー・サブマリン/Yellow submarine アルバム『リボルバー』に収録されていたポールの作品。ヴォーカルはリンゴ。詳しくは『リボルバー』を参照。 ２・オンリー・ア・ノーザン・ソング/Only a northern song ジョージの作品。随所にイフェクトが施されたサウンドが印象的だ。ビートルズの楽曲を管理する会社”ノーザン・ソング”を皮肉っている。 ３・オール・トゥゲザー・ナウ/All together now ポールの作品。映画のエンディング・テーマに使用された。ポールらしい遊び心満載の、賑やかで楽しい曲。 ４・ヘイ・ブルドッグ/Hey bulldog ジョンの作品。映画には使用されなかったが、このアルバムに収録されている。私は因みに後にシンディ・ローパーがこの曲を歌っているのをＴＶで観た事がある。 ５・イッツ・オール・トゥ・マッチ/It's all too much ジョージの作品。ドラッグ・ソングと見なされる。深遠な歌詞を持つ。サウンド・イフェクトが施され、６分半近くかかる内容だが、開放感に溢れ、ビートルズの余裕と遊び心を感じさせる。 ６・愛こそはすべて/All you need is love ジョンの作品。『マジカル・ミステリー・ツアー』にも収録されているので、詳しくはそちらを参照。 ７・ペパーランド/Pepperland ８・シー・オブ・タイム/Sea of time ９・シー・オブ・ホールズ/Sea of holes 10・シー・オブ・モンスターズ/Sea of monsters 11・マーチ・オブ・ザ・ミーニーズ/March of the meanies 12・ペパーランド・レイド・ウエイスト/Pepperland laid waste 13・イエロー・サブマリン・イン・ペパーランド/Yellow submarine in pepperland これらは皆ジョージ・マーティンが穴埋め用に書いた作品であり、オーケストラを起用した映画音楽である。但し、”作曲家”ジョージ・マーティンとしての自己主張は特に行っていない。あくまでビートルズの”歌”がメインであり、これらの音楽はおまけに過ぎないのだ。ジョージ・マーティンは正にビートルズのサポートに徹している。時折ビートルズの諸作品のフレーズがさり気なく導入されているが、あくまで”歌”を妨げない様に注意がはらわれている。要するに映画の場面場面の”単なる”ＢＧＭに徹した音楽であるという事だ。 |