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ポール・マッカートニー

ポール・マッカートニー

本名	ジェームズ・ポール・マッカートニー
生年月日	１９４２年６月１８日
出生地	リヴァプール、ウールトン
学校	ストックトンウッドロード小学校、ジョゼフウィリアムズ小学校、リヴァプール・インスティチュート
好きな食べ物	ステーキ、チキン、クラフトチーズ、ミルク、コーク（近年はベジタリアンに）
好きな色	黒
趣味	作詞・作曲
嫌いな物	髭剃り､南部風チキン
好きな歌手	チャック・ベリー、レイ・チャールズ、ペギー・リー
身長	５フィート１１インチ（約１８０．５cm）
髪の色	非常に濃い茶色
目	茶色
首周り	１５インチ（約３８cm）
胸囲	３８インチ（約９６．５cm）
体重	１１ストーン４ポンド（約７１kg）
ウエスト	３０インチ（約７６cm）
手	左利き
靴	彼らの靴はArelloとDavideが作った
ズボン丈	３１インチ（約７９cm）カジュアルな物を好む
足	８インチ（２６cm）

”音楽史上最大の成功を収めた作曲家”としてギネスブックにその名を刻むポール・マッカートニー。それによると、ポールはビートルズとソロ時代合わせて３２曲の全米Ｎｏ．１を送り出しているという（２位はジョンの２６曲）。この記録はまだ伸びる可能性もない訳ではなく、こと記録という面において、ポール・マッカートニーを超える存在が出現する可能性は限りなく０に近いといえるだろう。 それにも関わらず、一般的にはポールへの評価がジョンを凌駕する事は殆どないと言っていい。それは何故だろう。 先ず考えられるのは、ビートルズが世界中に旋風を巻き起こし、ツアーを行っていた時期の中心的存在がジョンであったという事だ。アルバムへの貢献も群を抜いており、この時世界中でビートルズはジョン・レノンを中心としたグループとのイメージが形成されていったのだろう。 次はプライヴェートでの発言や行動。ジョンはこの方面でもインパクトを与え、音楽という枠を超えた影響力・存在感を持っていたが、ポールはどちらかといえばあくまで”音楽”の枠内においてのみ、その存在を示していた。 そして、作品。ジョンやジョージは我が道を歩み続けたが、ポールは時代に応じて様々な仮面をつけ替えている。また、ポールの作品で最大のネックとなっているのが歌詞の問題である。この方面に関しては、ジョンはおろか、ジョージにも及ばないと評される事が少なくない。ポールの歌には中身がないとよく言われる所以である。 しかし、音楽的才能に関してはビートルズのメンバーの中でも傑出したものがあり、通称「ホワイト・アルバム」のセッションに参加したエリック・クラプトンもポールを激賞している。 ポールはそれ迄リズムを刻むだけの事が多かったベースでメロディアスな演奏を行い、様々な楽器を弾きこなし、時に作詞・作曲、ヴォーカル、そして総ての楽器の演奏を一人でこなしている。 その器用さは、作品にもはっきり出ている。ポールは様々なジャンルを己の物として吸収していった。独自性のジョンやジョージに対し、多様性のポールといえば良いだろうか。 ポールの作品の魅力は親しみ易さ、幸福感である。これが特に中期〜後期にかけてのビートルズ人気を支えていた事は疑うべくもない。ジョンやジョージが”個”に傾いていったとするならば、ポールは常に”大衆”の側にあった。それ故ポールの事を”商業音楽家”と呼ぶ者もいる。 尚、現在もポールは旺盛な活動を展開している。世界中にネットで中継されたコンサートは１０億人もの人が観たという。一方でクラシック作品にも進出している。残念なのは、現在ポールがオノ・ヨーコとビートルズ時代の作品を巡って争っている事だ。クオリーメン時代に結成されたユニット、”レノン＝マッカートニー”。この希代のコンビの作品中、共作を除いて、ジョンの作品はジョンのクレジットで、ポールの作品はポールのクレジットで発売すべきとポールが主張しているというのである。恐らくジョンが生きていれば、決してそんな事は言い出さなかっただろうが…。 もう一つ、ポールの作品への個人的感想を加えるが、ビートルズ時代にはジョンが傍にいて、ジョージ・マーティンがプロデューサーだった事もあり、サウンドも作品そのものも普遍性・永遠性を獲得していた。しかし、ソロになってからは自己満足に走り過ぎ、如何にも一時の流行に終始している物や鼻につく物も幾つもある。７０年代を代表するグループ、ウイングスの活動もそう。勿論、その時々に応じたポールならではの特質を示す曲もある。しかし、ジョンの様にソロでも永遠性を獲得しているという曲は少ない。そうした中、久し振りにジョージ・マーティンと組んで発表した「タッグ・オブ・ウォー」と「パイプス・オブ・ピース」はポールにフィットしており、矢張りポールはジョージ・マーティンと組んだ時が最高だと感じさせた。流石にジョージ・マーティンはポールの事をよく心得ている。是非また組んで欲しいものである。 最後に、ジョンは人々の記憶に強い印象を残したが故に永遠性を獲得していったが、ポールの場合、記録が残り続ける限り、彼の名が不滅である事は間違いあるまい。そう考えると、ビートルズが２０世紀の文化史上別格的存在として聳え立っているのも当然だといえよう。記憶の面でも記録の面でも不滅の足跡を刻んだのだから。そして、それは正にジョンとポールがいてこそだったのである。