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北欧神話編
女神・フレイヤ
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ユミール 霜の巨人。同じく氷から生まれた牝牛・アウドムラの乳を飲んで生き長らえる。このユミールの汗から幾多の巨人が生まれた。一方、アウムドラは岩塩を舐めて生きていたが、或る日岩からブリという神が生まれた。その息子のボルはユミールの娘・ベストラを妻とし、三人の息子をもうけた。オーディン、ヴィリ、ヴェーである。オーディン兄弟は力を合わせてユミールを倒し、その身体から天地を作った。血は海や湖となり、骨は山となり、髪は樹木となり、頭蓋は天となり、脳は雲となったという。天地を支えるのはユミールの身体から生えてきたトネリコの樹で、ユグドラシル（世界樹或いは宇宙樹）と呼ばれた。この樹の根が神々の住むアスガルド、巨人が住むヨーツンヘイム、黄泉のニッフェレヘイムの３つの世界を分断していた。更にオーディンは樹木から人間を作り、中間の世界・ミッドガルドを作った。要するに、ユミールは天地のベースになるべく誕生し、殺されたのである。オーディン ドイツではヴォータン。北欧神話の主神。アスガルドに建てた壮麗なヴァルハラ宮殿の玉座に鎮座していると考えられている。特徴的なのは、彼が隻眼であった点だ。これは知恵を司るミーミルが支配する泉にオーディンが出向いた所、「知恵が欲しいなら片目をくれ」と言われた為だ。バイキングの首領がよく隻眼で描かれるのも、オーディンの影響といわれている。トール 北欧神話版ヘラクレスともいうべき強力無双の神で、ミュルニールの槌という威力絶大の武器を使いこなす。妻はシフ。キャラが豪快な為、一番物語が多い。フリッカ オーディンの妻。ゼウスの浮気に激怒し、何かと目立つギリシャ神話のヘラと違い、あまり目立たない。フレー フレイヤの兄。天下無双の剣を持っていたが、美しい処女を手に入れる為にそれを手放してしまったといわれる。フレイヤ 北欧神話随一の美しさを誇る女神。ギリシャ神話のアフロディテ、アテナ、花の女神フローラらの性質が合わさった様なキャラ。即ち、普段は愛と美を司るが、戦があれば甲冑に身を包み、猫の牽く戦車に乗り、戦場を縦横無尽に駆け巡る。そうした意味においてはアルテミスにも近いと言えるかも知れない。因みにフレイヤはフライデーの語源といわれている。バルドル 北欧神話版アポロンといわれる美青年神。神々の人気者だったが、ロキの奸計により死んでしまった。しかも冥府から帰れぬ様に成ってしまった。イドゥン 神々が不老を保つ為の林檎の樹を見張っている女神。ヘイムダル アスガルドの番人で、邪悪な者が神々の国に入って来れぬ様、厳しく番をした。ノルン 世界樹の番をする３人の女神で、ウルド（過去）、ヴェルダンディ（現在）、スクルド（未来）と呼ばれた。漫画「ああ女神さまっ」でもこの姉妹の名が使われている。ソル、マニ オーディンが任命した太陽と月の司。女の子のソルが太陽、男の子のマニが月の御者を担当した。マグニ トールの子。マグニチュードやマグマの語源に成っているといわれている。ワルキューレ 日本では「戦乙女」と訳す人もいる様に、甲冑に身を包んだ女戦士達。ギリシャ神話のアマゾネスに似ているが、アマゾネスはアルテミスに忠誠を誓った人間の処女達であるのに対し、ワルキューレはオーディンがラグナロクに備え、人間界の英雄を探す為に選んだ使者の役割（ワルキューレの言葉の意味は正にそれ）を持っており、神に列なる者達なのである。中でもブリュンヒルド（ブリュンヒルデ）が有名だ。シグルド ドイツではジークフリート。ワーグナーの楽劇の影響もあり、一般的にはこちらの名で親しまれている。ドラゴン退治の物語が有名で、ＲＰＧの源流に成った。ロキ デモーニッシュな性格を有する神で、神々に有益な事もあるが、害を齎す事も少なくない。バルドルの死を招いた責任で、鎖に縛り付けられた。その頭上には毒蛇が毒気を吐きかけ、ロキが身をよじると、それが地震に成るのだという。フェンリル、ヨルムンガンド、ヘラ ロキには３人の子供がいた。凶暴な狼のフェンリル（フェンリス狼）、ミッドガルドを覆い尽くす巨大さ故にミッドガルの大蛇（ミッドガルズ・オルム）とも呼ばれるヨルムンガンド、人間の姿をし、死の国を司るヘラ。結局彼らがラグナロクを引き起こした事を思うと、ロキは最初から神々を滅ぼす為にアスガルドに潜入していたのかも知れない。ラグナロク 北欧神話にはキリスト教や仏教の様な末法思想があった。それがラグナロクである。神々もそれが不可避な事を知っていた。そして、不気味な前兆の後に、それは起こったのである。フェンリル、ヨルムンガンド、ヘラとその軍団らが父・ロキを解放し、ヴァルハラに攻め寄せて来たのである。オーディンは名槍・グングニルでフェンリルと戦う。フレーはスルトルとあいまみえたが、先述の如く宝剣を美少女を手に入れる為に手放してしまっていた為、力尽きる。チルは地獄の番犬・ガルム犬と相打ちに成る。トールはヨルムンガンドを倒すが、その毒気で結局死んでしまう。ヘイムダルはロキと相打ちに成る。オーディンはフェンリルに呑み込まれるが、息子のヴィダルが父の仇を討つ。スルトルはフレイヤを殺した後、炎の剣を神殿に投げ放つ。すると世界は炎に包まれる。 総ての不浄は焼き尽くされ、後に残った僅かな神や人間によって、新たな世界が築き上げられる。この破壊と再生のメカニズムは芸術やアニメ、ゲーム等現代の至る所で影響を与えている。 |