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怪物達

ピュトン 巨大な蛇で、アポロンに退治された。 テュポン 「タイフーン」の語源とされ、ガイアが生んだ。百の竜の首を持つ巨人で、神々でさえこれを倒すのに梃子摺った。ラドン、ケルベロス、スフィンクス、ヒュドラらも彼の子とされる。 キルケ 恐ろしい魔法を使いこなす女神。後年は醜い老婆の姿で想像され、ヘカテと共に魔法使いの原型と成った。 スキュラ キルケによって怪物へと変えられた美少女。船乗りから恐れられた。 ケンタウロス 上半身が人間、下半身が馬の怪物。但し、ケイロンを始め、神に忠実な物が多い。特にアルテミスとの関わりが深い。他に半人半獣のサテュロスもいるが、ケンタウロスの方が遥かに格上。 ユニコーン ペガサスと共に馬の怪物の代表格。ペガサスが翼の生えた馬であるのに対し、ユニコーンは一本の巨大な角を有する。人間にはなつかないが、処女は大好きだったとされる。 ミノタウロス ミノス王の妃パシパエがアフロディテの呪いにより牛と交わって出来た怪物。頭が牛で、身体が人間とされる。後にテーセウスに殺された。 クラーケン エチオピア近海を荒らし回った海の怪物。彼の怒りを鎮める為、女王カシオペアは王女のアンドロメダを生贄に捧げた。ペルセウスにメドゥーサの首を突きつけられ、石と化した。 メドゥーサ 元々は美女だったが、呪いにより頭が無数の蛇と化し、邪悪な牙を持つ怪物と成る。その顔を見た者は石に成ってしまう。ペルセウスがアテナとヘルメスの協力を得て、退治した。 ケルベロス 地獄の番犬。頭が３つある犬（狼）である。 ヘカトンケイル 地獄の番人。巨大な身体と声で、周囲を威嚇した。 コカトリス バジリスクと同一視される。鶏の頭を持つ蛇と考えられ、その目を見た者は恐ろしさのあまり死んでしまうという。 ハルピュイアイ 人間の頭を持つ鳥。本来ピネウスをこらしめる為にゼウスが作った怪物とされる。人間が食べ物を食べようとすると、それを奪って逃げるという。 サラマンダー 炎にも焼けぬ皮膚を持つ爬虫類。 スフィンクス 人間の頭を持つ獅子。旅人に問題を出し、それに答えられぬ者を殺した。オイディプスに問題を解かれ、屈辱のあまり死んだという。 グリフォン 獅子の身体を持つ鷲。 フェニックス 起源は東方。不死鳥。 セイレーン 海のニンフ。その歌声があまりに素晴らしいので、聞いた者は海に飛び込み、溺死したといわれる。人魚の原型ともいわれる。「サイレン」の語源でもある。 キマイラ 獅子の上半身、竜の下半身を持つとされる怪物で、口から火炎を吐く。ペレロポンに退治された。 アルゴス 百の眼を持つ巨人。ヘラの命でイオを監視。ヘルメスの計略により殺された。 サイクロプス 一眼巨人。神々の手下として働く者が多い。但し、人間に対しては寛大という訳ではなく、オデュッセウスも彼らの島で苦労した。 ギガンテス 北欧のラグナロクは神々と怪物が死闘の果てに共に滅び去り、破壊と再生のメカニズムを表現しているが、ギリシャでも神々こそ死なないものの、怪物達との間に空前絶後の激闘を繰り広げた事があった。その戦いはギガントマキアと呼ばれ、この時神々が戦った怪物達はギガンテスと呼ばれる。彼らは恐るべき巨人で、ガイアが生んだとされる。彼らはゼウスに代わり、世界を支配しようと企んだ。何故かガイアもこれに味方したという。神々は劣勢であった。そこで当時はまだ人間だったヘラクレスを呼んだ。それでも決着はつかなかった。そこでゼウスはギガント達を同士討ちさせる事を思い付いた。そこで彼らの中で勝った者にアルテミスを与えると言った。”究極の美しさ”を別名に持つこの女神を得ようと、激しい争奪戦が始まった。ゼウスの作戦は成功し、とうとうギガンテスは神々に滅ぼされたのである。ラグナロクが力と力の真っ向勝負なのに対し、ギガントマキアは神々の方がズルして勝っている。これもギリシャ神話の特徴の一つであろう。